多機能型保育で「保育園を地域にひらく」その2高知県の取り組みを聴く

2017年7月23日 23時24分 | カテゴリー: 子育て・子育ち・女性

NPO高知市民会議さんから、多機能型保育についての学習会にお誘いいただいたき、高知県が多機能型保育という独自事業をやっているということを知り、非常に興味を持ちました。(Facebookページはこちら)多機能型保育の新しさもさることながら、なんで県が?子育て支援を都道府県が?という疑問もあり、ぜひ、話を聞きたいとヒアリングをお願いし、高知県教育委員会幼保支援課の方々にお会いしました。

この事業の目的は「小さな保育所を拠点に、地域の住民(高齢者等)と子育て世代(子育て中の親+園児)が交流し、顔の見える関係をつくる。」とあります。具体的には、小規模保育・企業主導型保育・家庭的保育などの地域型保育所で多世代交流を進め、将来的には地域の中で “予約のいらない” 一時預かり等、子育て世代のニーズに合った支援ができる関係をつくるというような絵が描かれています。

県が事業に取り組むこととなった背景として、まずあげられたのが保育所利用率の高さ。0歳児20%、1歳児60%、2歳児73%だそうです。横浜市の未就学児童の保育所利用率が34%。随分事情が異なります。「M字曲線は…」と一応聞いてみたら「ありません」と。短時間の就労でも保育所に入所できる状況だそう。
「子育て支援=保育」という傾向にもなりがちで、保育を利用しない人たちへの子育て支援が難しく、保育所の園庭開放や子育て支援拠点に出てこれない親子への支援として、産前産後から繋がる仕組みづくりが求められていると言います。保育士は子育ての専門家であり、その力を生かすためにも「多機能型保育」によって保育を開かれたものにしていきたいという意気込みも聞かれました。
多機能型保育に関わる2017年度予算は2200万円で、うちNPO高知市民会議への委託費が750万円となっています。高知市民会議は、1.多機能型保育モデル事業の実施者の発掘、2.多機能型保育モデル事業の事業開始及び継続への支援、3.情報発信を担います。今年度の整備目標は10箇所とされていますが厳しい状況もあるようです。

私たちは、制度のないところで、子育て経験を生かして地域の人が保育の担い手となり、ミニデイサービス(小さな保育室)を立ち上げました。一時保育に取り組みそのニーズの高さに気づき、横浜市に制度提案し、市独自の一時預かり制度もボトムアップで作ってきました。そんなプロセスを踏んできた私たちからすれば、高知県の取り組みは羨ましいような話です。もちろん、現場が主導するか、行政が主導するかというプロセスの違いはあるものの子育てをめぐる問題意識は重なり、多機能型保育のこれからを応援したいと思っています。高知市民会議という中間組織がこの事業にどんな効果をもたらすかということにも注目していきたいと思います。

レポート3フィールドワーク編に続く
レポート1学習会報告