横浜市の保育・子育て支援施策を振り返る〜ふくおか市民政治ネットワークの皆さんと〜

2017年7月15日 09時02分 | カテゴリー: 子育て・子育ち・女性

ふくおか市民政治ネットワークの皆さんが青葉区にいらしてくださいました。
ピッピの子育て支援や小規模保育、居場所事業などの取組みをみてもらいました。皆さんの訪問はとてもタイムリーで、この10年の横浜市の保育・子育て支援施策を振り返る良い機会となりました。

2004年に青葉区でピッピ親子サポートネットを立ち上げた当時、私たちはこんな問題意識を持っていました。

・地域の保育室に寄せられる短時間就労、リフレッシュなどに対応する一時保育ニーズの高さ、現場に寄せられる「預けるために働く」、「保育所の入所要件に合わせた働きを選択せざるを得ない」人たちの声にどう応えるか。
・『認可保育所』主に両親がフルタイマーで働く家庭の子どものための場所として整備費も運営費も集中的に投下されている。しかし、ニーズを細かく分析してみると、要件の高いニーズばかりではない。

私たちは、現場のデータをもとに、市に対して、一時保育の実態調査や、待機児童保留児童の詳細な分析を行い、多様な保育・子育て支援策を展開することを提案し続けてきました。
市の政策転換のきっかけは、2009年の市長の交代。子育て支援は市の最重点施策と位置づけられ「保育所待機児童解消プロジェクト」も設置されました。
2009年当時の入所選考基準別の待機児童の状況は、待機児童1290人のうち、要件の低い「求職中などのGランク」の待機児童が最も多く557人、ついで、「フルタイマー」を中心としたAランクの待機児童が353人となっていました。2005年度以降5年間の傾向を見ても、毎年度、Gランクが40%以上を占め、次いでAランクが20~30%前後で続いており、この2つのランクへの2極化が進んでいました。

プロジェクトは、待機児童解消に向けて、保育所整備等の直接的な対策だけではなく、子育て支援策全体の充実を図ることが必要で、様々な保育資源を活用した選択性の高い総合的な子育て施策の展開するとの提言をまとめています。2010年からは「保育所等利用保留児童実態調査」も始まりました。しかし、その後待機児童の定義自体が見直され(*1)政策転換の効果は見えづらい。

横浜市「平成29年4月1日現在の保育所等利用待機児童数について」より

今年4月1日現在の待機児童数は2人。その「選考基準別の待機児童数の状況」を公表されてもほとんど傾向はわからない。保留児童3259人のランクが見られれば何らか考察できるかもしれないのですが。

一方で、常に子育て支援現場には「今」を現す出来事が起きています。今春も、親と子の集いの広場を利用するお母さんが「保育所入所決まったんですが、心の準備もできてなくて」とポツリ。まだ子どもと離れる気持ちにはなれないというお母さんのつぶやきです。スタッフは「またか」と感じたと言います。育休を延長するための「保育所入所不承知通知書」を取得するための申し込みだったのに入所できてしまった事例です。(このことは前のエントリーでレポートしています)

横浜市の保育所など整備計画と実績をピックアップ。認可保育所の整備は若干抑制されていますが、小規模保育事業は給食に広がっていることがわかります。

私は、保留児童=待機児童でフルスペックの認可保育所の整備を加速すべきという論には賛成できません。
市長選では、隠れ待機児童への対応も問われていますが、横浜市がこれまで一時預かりや小規模保育、広場や拠点など子育て支援事業に取り組んできた施策の方向性は評価すべきだし、これからも推進してほしいと考えています。もちろん課題もあります。
そこで、市長選に立候補を予定されているみなさんに政策提言をお届けるす予定です。
また報告します

(*1)2011年度には育休取得中の人、2012年度には主に自宅で求職活動中の人を待機児童の定義から外す