就学援助制度から見える課題

2017年2月19日 12時22分 | カテゴリー: 子育て・子育ち・女性, 教育, 活動報告

神奈川ネット「子ども・若者プロジェクト」の調査で県内自治体の就学援助の実施状況をヒアリング。その一部を情報紙ネットでお伝えしています。(就学援助は、生活保護法に規定する要保護者と要保護者に準ずる程度に困窮している準要保護者と認定された世帯にいる子どもが教育を受けるための援助制度です。)

就学援助については、子供の貧困対策に関する大綱を踏まえて文科省が全国調査を実施し、市町村毎の就学援助制度(制度の周知方法,準要保護の認定基準/2014年度の状況)等の一覧も公表されました。2015年度の状況についても調査を実施、今年度末までに公表予定とのこと。(全国調査なので集計にも時間がかかるようです。)
県内自治体には、文科省の調査項目に連動したヒアリングを行いましたが、プロジェクトが注目したのは、準要保護者の認定基準。準要保護者の就学援助は、国庫補助がなく自治体が単独で実施していますので、認定要件も、市町村が独自に決めています。
まず、HPでチェック。しかし、認定の限度額となる所得の目安額を公表している自治体は14自治体で、県内33自治体中42%にとどまります。HPで公表してくれていない自治体には、国にならって四人家族のモデルを示して、「このケースの所得限度額は?」などと尋ねてみました。
回答を並べてみると、目安額を所得額で提示する自治体もあれば、収入で提示する自治体もあるし、持ち家・賃貸と住まいの状況や家族構成などで様々な条件があり、援助の基準や自治体の姿勢を比較することも難しい状況です。何よりも、就学援助が「世帯」への援助であることを再確認するやり取りとなりました 。

それにしても、就学援助を受けられるかどうか、所得の上限は?と尋ねて「お調べしますので後ほどお掛けください」、「明日お返事します」となってしまうのはどうしてだろう。法律では、関係機関相互の密接な連携を求めていますが、生活保護法のもとにある教育扶助の仕組みが、窓口となる教育委員会に十分認識されていない状況もうかがえました。そのあたりも改善し、援助を受けられるかどうかの所得の目安額も公表しておけば、「知りたい」と思う人がいつでもアクセスできます。

経済的状況と学力の格差の相関性は論拠を持って語られています。「どのような学校段階に進んだかは,卒業後の就業状態や所得に影響を与える」との分析もされています。(文科省調査)子どもの貧困対策の推進に関する法律や、子供の貧困対策に関する大綱にも「子どもが家庭の事情等に左右されることのないように」という基本姿勢が書かれています。家庭の事情によらず、全ての子どもをベーシックに支えるセーフティネーットを作っていくことが必要です。