急増する「放課後等デイサービス事業」〜相談支援機能の充実を〜

2016年8月15日 23時50分 | カテゴリー: 高齢者、障がい児・者福祉

2012年の児童福祉等の改正によって放課後等デイサービス事業がスタートし、一気に広がってきました。青葉区でも、13事業所を数えるほどになっています。
通学支援のボランティアで養護学校に送迎に行った際には、いろんな事業者の送迎車がひっきりなしにやって来る光景を目の当たりにしました。「下校時のスクールバスは空気を運んでいるような状態」という県の職員の話を聞いたこともあります。

放課後等デイサービス事業の現場からは「事業所の増加に伴って、複数の事業所を日替わりで利用する子どもが増加している」「1人の子どもに対してそれぞれの事業所で複数の個別支援計画が作成されている状態」「支援内容が異なる事業所利用することで子どもたちには戸惑いや負担も生じているのではないか」と言った意見を聞きます。
子どもを中心に置いたトータルな支援のためには、サービス提供事業者間や学校などとの連携が不可欠。そこで重要になってくるのが相談支援事業です。相談支援事業は、利用者本人や保護者の希望を踏まえた上で、目標や課題を共有し、子どもにあった活動の場、利用頻度などの計画を立てコーディネートする役割を担います。
2015年4月からは、障害福祉サービスや障害児通所支援事業の利用にあたって、区役所へサービス等利用計画・障害児支援利用計画を提出することが必要となっています。そんな状況で、私が運営に関わっているピッピ親子サポートネットも1月から相談新事業に参入し、学齢期の子どもたちの相談に対応しています。
相談支援事業は、基本相談支援と計画相談支援で構成されていますが、基本相談では「計画相談支援の利用の有無に関わらず、地域の障害児者のあらゆる 相談に応じること」されています。しかし、基本相談には報酬がありません。丁寧に相談に応じても利用計画の策定まで進まないこともある。なかなか厳しい事業です。

2016年6月現在のデータで、横浜市の障害児通所支援受給者数は6,168人で、すべての人が「計画作成済み」とされていますが、うち4,443人はセルフプラン(相談支援事業者に依頼せずに、本人や家族などが作成した利用計画)を作成、提出しています。セルフプランの割合は72%に上っており、他自治体を大きく上回っています。セルフプランを選択する人の意思は尊重されるべきですし、その意義も理解します。一方で、厚生労働省が示したセルフプランの考え方として「市区町村(都道府県)が必要な事業者の誘致に向けた努力を行ってもなお体制が確保されない場合が前提」「体制整備に向けた努力をしないまま安易に申請者を「セルフプラン」に誘導することは厳に慎むべき。」といったことも留意されなければならないと思います。

「計画相談支援・障害児相談支援の体制整備を進めるに当たっての. 基本的 考え方等について」(平成 26 年 2 月 27 日付地域生活支援推進室事務. 連絡)

「計画相談支援・障害児相談支援の体制整備を進めるに当たっての. 基本的 考え方等について」(平成 26 年 2 月 27 日付地域生活支援推進室事務. 連絡)

先日、245人の障害児通所支援受給者に対し、計画相談事業で243人の計画作成をしているという鎌倉市の状況を聞く機会を得ました。相談支援事業所は(児童)は11か所ですが、市直営の発達支援室で計画の半分を作成しています。毎月1回、相談支援事業連絡会が開催され事例検討を行うなど、事業者間の顔が見えている様子もうかがえました。療育センターとの情報の引き継ぎをスムーズに行うことも重要なポイントです。
横浜市における障害児相談支援事業所は56箇所。現在、相談支援事業を実施している事業所も、他の事業と組み合わせなければ運営が成り立たない状況もあります。相談支援事業への参入の後押しのために、急ぎ、基本相談支援に対する報酬や、運営に掛かる基本助成の仕組みを検討すべきだと思います。私たちも、まだまだ手探りの運営ですが、日々の気づきを発信していきます。