現場の声を制度に生かす「介護保険制度、次期改定にむけて」

2016年5月19日 10時04分 | カテゴリー: 高齢者、障がい児・者福祉

IMG_3330服部万里子さんをアドバイザーに迎えて、神奈川ネット「介護保険プロジェクト」の調査報告と、今後の政策アクションを考えるフォーラムを開催しました。

2015年度の介護保険制度改定では、報酬が▲2.27の減額改定となったほか、サービス利用者を重度者に絞り込む、利用者負担を2割に引き上げるといった大きな見直しが行われました。
IMG_3334服部万里子さんが示されたデータ(2015年10月/政策金融公庫)では、訪問介護全体で47.6%の事業所が、通所介護では42,7%の事業所が赤字となっています。医療が介護を統括するような形で包括ケアが進み、小さな事業所が淘汰されつつある流れを実感させるデータです。プロジェクトが行った県内70カ所の事業への聞き取り調査でも、訪問、通所など在宅サービスを提供している事業者の4割が収入が減額となったと回答しています。
一方、利用者負担の引き上げの影響については、2割負担となった人(合計所得が160万円以上年金収入だけなら280万円以上にあたる人)が、9,2%にとどまっており、高齢者をとりまく厳しい状況も見えてきます。

IMG_3333 次期改定では要支援に加え、要介護2まで介護保険サービスから外すことや、生活援助を自費にすることが検討されています。2014年の医療・介護総合確保法の制定に始まり、国民健康保険法等5本をまとめた一括法「医療保険制度改革法」などによって、すでにこうした流れができあがっています。服部さんのような専門家であっても「読み込むのが大変」だという何本もの法律をまとめた「一括法」。市民が制度を理解することはかなり難しいと思われます。

高齢者実態調査で明らかにされているように、多くの高齢者が住み慣れた自宅での生活継続を希んでいます。在宅生活を継続することにより、介護保険の支払も少なく抑えられるはずです。
現在、介護保険利用者の74%は自宅で暮らしています。サービスの利用者の6割は要支援〜要介護2の人たち。IMG_3332介護認定を受けた人は、保険者が介護の必要性を認めた人たちであり、介護サービスがなければ状態の悪化も懸念される方たちです。この方たちの生活は誰が支えるのでしょうか。介護離職の8割は女性です。再就職も困難。活躍できないです。
服部さんは、「生活支援は、最も難しい(サービス)」という評価もなさっています。今までどんな暮らしをしてきたのか、生活の価値観、アイデンティティが現れる。コーディネートの責任の所在も明らかにすべき。ケアマネジャーは利用者・介護者の声を代弁しよう」と締めくくられました。
参議院選挙が終わると、2017年介護保険改定にむけて、財務省が打ち上げた改革案が一気に動き始めます。選挙で問わなければなりません。
フォーラムに参加された大河原まさこさんからは、あらためて現場の声を制度に生かす決意が語られました。ローカルパーティも地域から声をあげ続けます。