「子どもの学習支援」進学率より大事なこと

2015年12月29日 00時06分 | カテゴリー: 子育て・子育ち・女性, 生活困窮者支援・若者支援・働き方

  先日、事務所に1本の電話がかかってき た。相手は、A市から子どもの学習支援事業を受託しているB事業者の男性社員でした。
 男性社員は、開口一番、『C市の○○(学習支援を行っている場所)に行かれましたよね?その時に、うちがやっている学習支援事業ついて話していたとC市の職員から聞いた。間違った話が広がると困るので電話しました」と。彼が気にしているのは、学習支援事業に参加した中学生の高校進学率を表す数字でした。
 神奈川ネットの子ども・若者プロジェクトでは、県内自治体の子どもの学習支援事業の実施状況を調査し、一部進学率についても把握しています。数字の出し方は、自治体によって異なっているようです。大きくわけて2つ、①事業に参加した子ども全てを母数にする場合と、②受験した子どもの数を母数とする場合があり、参加してみたものの続かない、姿を見せなくなるという子どもも母数に含む①のカウント方法は、当然ながら②よりも進学率が低くなります。
 電話をかけてきたB事業者は、「うちの進学率は100%なので」と強く主張されていましたが、役所から出された資料では、B事業者の昨年度の進学率は70%台でした。役所が出した数字は①の方法でカウントしたものだろうと予測していましたが、男性社員に確認したところ、やはりそうでした。そういう数字も②のカウント方法によると100%となるということでもあります。
 私は、そもそも C市の○○に行っていないので、そこでB事業者の進学率云々を話したわけでもありません。この男性はかなりの思い込みを持って、私に抗議の電話を掛けてきたのですが、おかけで仮説が確かめられました。ただ私は、進学率だけでこの事業を評価すべきではないと思っていますので、話は噛み合ないままでした。

 ②のカウント方法で出された数字(ほぼ100%になるであろう)にどれだけの意味があるのだろうかと思います。むしろ、①のカウント方法の方が事業の状況や課題が的確に映し出されるようにも思います。私は、なぜ、学習支援の場に通えなくなるのかということのほうが気になります。その子が困っていることの根本は何なのか、どんな場所だったら子どもたちの居場所となり得るのか、どれだけ信頼できる支援者と出会えるのか、長い目で子どもたちの自立を考えたときにどういう支援が必要とされているのか、そういう事を考えることの方が大事だと思います。

【神奈川ネット子ども・若者PJの調査より】今年4月から生活困窮者自立支援事業がスタート。子どもの学習支援もプログラムの一つ(任意事業)に位置付けられています。横浜市では2010年から国の補助金を活用した学習支援が各区で広がり、現在18区20カ所で実施されています。うち7カ所は生活支援も合わせた形で実施しています。(健康福祉局とこども青少年局が事業費を負担しています)