勉強したり、まったりしたり、ご飯を食べたり…寄り添う子ども・若者支援

2015年12月13日 22時36分 | カテゴリー: 地域活動, 子育て・子育ち・女性, 生活困窮者支援・若者支援・働き方

鈴木晶子さん

 12日、鎌倉市の御成小学校で開催された子ども若者の貧困を考えるシンポジウムに参加しました。シンポジウムを主催したインクルージョンネットかながわ(インクル)は、2014年1月〜昨年度末まで、神奈川県から委託を受け生活困窮者自立相談支援モデル事業を実施、今年4月からは、鎌倉市の生活困窮者自立相談支援事業を受託しています。
 基調報告は、理事長の鈴木晶子さん。鈴木さんが、ハフィントンポストのブログに書かれた「鎌倉に子どもの貧困なんてあるんですか?」というエントリーには多くの反響があるそう。おそらく、相談窓口を設置してもキャッチできないニーズも多くあるはず。そこにどう向き合うのか、試行錯誤されていることが伝わる話でした。
 鈴木さんからは、増加を続ける鎌倉、逗子、葉山の要保護児童、準要保護児童生徒数の推移や、連鎖する貧困の問題、相談事業の現状とともに、独自事業としてスタートした「space ぷらっと」の様子も報告されました。space ぷらっとは、鎌倉、逗子地域で、小学生〜高校生を対象に「勉強したり、まったりしたり、ご飯を食べたり」する場として開設されたばかりの場所です。

  パネルディスカッションでは、インクルから委託を受けて逗子でspaceぷらっとを運営されているNPO法人遊悠楽舎代表の明石紀久男さんのお話もうかがえました。遊悠楽舎の活動拠点は逗子市蘆花記念公園の中にあり、相談事業や居場所・フリースペース、就労体験事業などを展開されています。2年間に訪ねた際には、若者たちがキエーロづくりの真っ最中でした。若者たちとの過ごしの中で、「何をしたらいいの?」と問われれば「何をしたいの?」と問い返すという明石さん。インクルの相談支援でつながった事案もお話下さいました。その家族には、5人の子どもや障がいのある父親に関わりケースワーカーやヘルパー、児童相談所も繋がっていました。時間をかけて関わり、聞き込むことで実は家族の中で最も支えられるべき立場であったのは子育てや介護を担っていた母親だったという気付きがあったと言います。
 
 もうお一人のパネラー滝田衛さん(七理ヶ丘子ども若者支援研究所)は、若者に「居心地がいい場所」を尋ねたところ、140人中99人が自宅と回答した鎌倉市のデータを紹介し、社会に安心できる居場所が無いからではないかといった指摘もされていました。
 先日、学習支援・生活支援の現場をお訪ねする機会がありましたが、そういった支援は、子どもが居心地の良い空間や信頼を寄せられる関係性を感じとって初めて成り立つものだというお話をうかがったばかりです。「子どもたちにはさまざまな経験から将来を描き選択肢があることを知ってほしい、そのための種をまいている」と。明石さんが言う「大人がこうなってくれたら良い」というような子ども・若者支援は早晩行き詰まるのかもしれません。過度に高校進学率にこだわることも。
「困っている」という言葉や表層的な困りごとに反応してしまうのではなく、もっとゆっくり関わり、聞き、考える関係が必要だという明石さんの指摘に、寄り添う支援のあり方をあらためて考えさせられました。