「働くこと」イコール「幸せや安心につながる社会」を構想したい WNJ全国会議

2015年12月6日 23時58分 | カテゴリー: 活動報告, 生活困窮者支援・若者支援・働き方

12月5日6日の2日間にわたり、ワーカーズ・コレクティブネットワークジャパン(WNJ)全国会議が開催されました。
コーディネーターを努めた中間的就労をテーマにした分科会では、NHK解説委員の後藤千恵さんとご一緒させていただきました。「生活困窮者者○○万人をどうするという話よりも、△△さんの困り事として考える。小さな地単位で。しかもその困りごと解決することが仕事にできれば良い」という後藤さん。「解説委員同士のバトルでは連戦連敗」なんだそうです。でも、四半世紀にわたって地域にこだわり続けてきたという後藤さんのお話は、現場に触れ、一人一人の働き・暮らしにフォーカスした丁寧な取材に裏付けられたもので、共感を覚えました。
いくつか事例もお話くださいました。肺がんを煩っている男性Aさんは、刑務所を出所後、学童保育で働き始めます。ソープランドで働いていたAさんにとって全く未経験の現場でしたが、メンバーは、Aさんが、子どもたちの長所を発見することに長けていることに気付き始めます。そんな中でやがて子どもたちはAさんを「先生」と呼ぶようになりました。アルコール依存症のBさんは、仕事を得て徐々に症状が改善、困難を抱える仲間に心を寄せられるようになります。「引っ張り上げることはできない、でも生きようとする人とは一緒に歩くことはできる。あせらないでゆっくり歩こう、でも歩こう」という言葉にも、支えられる人から必要とされる人へと立場を変えたBさんが見出した「対価を得る事」だけで無い「働く意味」が表されています。これらの現場では、仕事を細かく切り出し、働きにくさを抱えた人を戦力として受け入れるためのスキームが創られています。
パネラーのお一人で、障碍者の就労支援に取組むNPO法人コンチェルティーノの浅川悦子さんからは、共に働き始めて7年目に初めて「おはようございます」の言葉を発したメンバーの様子とともに、「働くことで自らを支えることができる」という貴重な経験が語られました。
 
世界最速で少子高齢化・人口減少の進行する日本で、もはや企業が儲かれば社会が豊かになるなどということはあり得ません。1995年にWNJが設立されてから20年が過ぎ、時代も大きく変化しようとしています。後藤さんが提起されたように、これからは「働いて、対価を得て、幸せを手に入れる」ではなく、「働くこと」イコール「幸せや安心につながる社会」を構想するくらいのパラダイムシフトが必要なのだと思います。
処遇改善の議論の真っ最中のウチのNPOの中で、漠然と描いていた豊かさの価値を変える議論の輪郭ぐらいは見えて来た。