子ども・子育て支援計画で風穴をあける〜通級指導教室の課題から〜

2015年12月4日 18時33分 | カテゴリー: 子育て・子育ち・女性, 教育, 活動報告, 高齢者、障がい児・者福祉

先日開催された高等学校における特別支援教育の推進に関する調査研究協力者会議」で、高等学校での通級(*1)指導の制度化についての議論が始まったようです。この会議で、通級指導を受けている小中学生が10年でおよそ2倍も増え8万3000人余りとなったことも報告されています。横浜市においても、通級指導教室在籍児童・生徒は年々増加しており、通級在籍期間や指導回数・時間を減らす事で対応している現状があります。
私は毎年、横浜市の小・中通級指導教室に子どもを通わせている保護者の会「ありんこの会」の皆さんと、横浜市と県の教育委員会に、通級指導・支援の充実について提案しているのですが、正直、対応が追いつかない状況も感じています。子どもの成長にしたがって、ありんこの会の皆さんの顔ぶれは変わりますが、毎年くり返される教育委員会とのやりとりを聞き、この状態になんとか風穴をあけられないものかと思案していました。

前置きが長くなりましたが…
今年4月には、子ども・子育て支援新制度がスタート。横浜市でも、全ての子ども・青少年を社会全体で支援することや、育ちの連続性を大切にする一貫した支援をうたった子ども・子育て支援事業計画が策定されました。計画は、新制度の理念にもとづいた幅広の施策体系となっており、療育と教育の連携 や学齢期の障害児支援も盛り込まれています。関連する計画として、障害者プラン教育振興基本計画などがあげられています。そこで、ありんこの会の皆さんと、子ども・子育て支援事業計画を所管するこども青少年局と意見交換してみました。
障害者プランは、障がい児・者のサービスの必要量に主眼が置かれた計画ですが、こども青少年局としては、子育て支援という観点からアプローチする子ども・子育て支援計画を横軸として、タイムリーな支援を行いたいとのことでした。通級指導で言えば、療育とのつなぎがキーになります。ありんこの会の皆さんも、周囲からはできて当たり前の事ができないように見える苦手の一つには必ず理由や原因があり、それを知るためにも、地域療育センターとの連携が必要であると指摘されています。

現在、こども青少年局は、地域療育センター学校支援事業として、8カ所の地域療育センターと総合リハビリテーションセンターに専任の学校支援担当スタッフ2人を配置し、学校訪問によるコンサルテーションや教職員への研修を行っており、今年度は約1億4800万円が予算化されています。ここ数年、年間800回前後の支援を実施しています。

地域療育センター学校支援事業実績

 

 

 

 支援を実施した小学校のアンケートでも支援内容に関して満足度は高い結果とのことで、今後中学校への支援も望まれます。しかしこの数年1校あたり平均実施回数は減少傾向で事業の限界も見えています。県費による特別支援学校センター機能の巡回指導も行われていますが、学校からのすべての要望に対応しきれていない状況です。部局をまたぐということは簡単ではないのでしょうが(特に教育)、学校支援事業のような取組みについては、市教委も予算を負担をすることで拡充することはできると思うのですが。

さて、子ども・子育て支援事業計画に「障害児への支援」として、めざすべき方向性が書かれたとしても、具体的な数値目標を設定できない施策、予算化されない取組みをどのように評価するのでしょうか。計画期間や審議機関の異なる多岐にわたる計画について、どうやってPDCAサイクルを回していくのでしょうか。担当課(こども青少年局)は、今後、子ども・子育て会議や部会の中で検証を進めたいとしています。まずは、公開の場で行われる子ども・子育て支援計画の点検・評価の場には足を運びたいと思っています。

*1通級:市内の小・中学校に通っている軽度の障害のある児童・生徒に対して特定の時間に障害に応じた特別の指導を通級の教室で行う教育の形態