ブラック企業を許さない・見逃さない

2014年11月25日 10時48分 | カテゴリー: 生活困窮者支援・若者支援・働き方

 神奈川県、神奈川労働局共催の就活生・若年労働者向けセミナー『いわゆる「ブラック企業」の見分け方・対処法について』に参加し、神奈川労働局労働基準部監督課の古屋強監督官、嶋﨑量弁護士のお話を伺いました。
 神奈川労働局は、昨年、若者の使い捨てが疑われる企業等への対策として、県内222事業場に対し過重労働重点監督を実施しており、185事業場(83,3%)で違反が確認されています。例えば、長時間労働等により精神障害を発祥したとする労災請求があった事業場で、その後も80時間を超える時間外労働が認められる、社員の7割におよび係長職以上の者を管理監督者として取り扱い、割増賃金を支払っていない、労働時間が適正に把握できておらず、また、参入すべき手当を参入せずに割増賃金の単価を低く設定していたなどの事例が紹介されました。
 
 日本労働弁護団常任幹事で、ブラック企業対策プロジェクト事務局長、ブラック企業被害対策弁護団副事務局長でもある嶋﨑量弁護士は、ブラック企業の問題について、個々の労働者の被る重大な被害にとどまらず、公正な競争原理が機能しないという悪循環を生み、雇用を劣化させ、長期的に見れば社会全体の損失であると話されました。また、増大する非正規雇用と表裏一体で、正社員への「椅子取りゲーム」とも揶揄されるような社会的圧力があるとも指摘されています。
 具体的なブラック企業の見分け方として、採用活動・求人広告の見方や、新卒者の3年以内離職率や従業員数と採用実績比較等が記載された就職四季等を活用した客観的データや、募集要綱・雇用契約などの見分け方についてもアドバイスがありました。
 より広く社会的なブラック企業対策を進めるために、労働、福祉、教育各部局が連携し積極的に関与する必要があります。
 過日、県議会決算特別委員会では、牛丼チェーン「すき家」を運営するゼンショーホールディングスとの人事交流の問題が指摘されました。ゼンショーは、東京都労働委員会、中央労働委員会で不当労働行為が認定され東京地裁、高裁に提訴するも敗訴しています。また、繰り返し労働基準監督署の是正勧告も受けており、今年7月に公表された「『すき家』の労働環境改善に関する第三者委員会」の調査報告書では、「24時間以上勤務」「月の労働時間500時間以上」等の過酷な勤務実態も明らかにされています。
知事は会見で、「〜いろんなことが指摘されたら、それを改善していくということによって、企業は乗り越えていって成長していくものだというふうに思っています。ゼンショーの労働の問題というものが、そういうものでクローズアップされたということから、私自身はゼンショーの中で改善に向けて、動きがどんどん進んでいっているものだというふうに受け止めています。ですから、そういった流れというものもしっかり勉強していただくというふうなことにもつながるのではないかと感じたところです。」とコメントされています。
 私は、ゼンショーとの人事交流は決して望ましいものではなく、当然見直されるべきだと考えます。知事の「ブラック企業を許さない・見逃さない」という思いも具現化していかなければなりません。現在も継続されている人事交流によって何が得られたのかについても伺いたいものです。