決算特別委員会報告「土砂の搬出・搬入の適正化に向けて」

2014年11月4日 23時54分 | カテゴリー: 県政レポート

 神奈川県外に搬出されている建設残土について、「受け入れ先自治体に出された届けと一致しない、建設現場も確認したが建設工事の実態がないと思われる事例もある、土砂条例に違反する場合は罰則も適用されるべきではないか」等、市民からの指摘があり、横浜川崎治水事務所にも赴き調査を進めて来ました。昨今の土砂の搬出・搬入の適正化に向けた取組みの重要性が再認識される状況も踏まえ、あらためて、決算特別委員会において、神奈川県土砂の適正処理に関する条例(土砂条例)に基づく土砂の搬出等にかかる事務・事業に関し質疑を行いました。

 神奈川県の土砂条例は、県内の土砂埋立て行為の適正化に重きを置いたものですが、一定量以上の土砂を搬出する場合にも、数量や搬出期間、搬出先などを記載した「処理計画」、「処理結果報告書」の提出を義務づけています。さらに届け出行為に対する罰則規定も盛り込まれています。質疑の中で、罰則適用件数や違反の是正件数を確認したところ、罰則適用件数はゼロ、是正事案として、昨年度の事案2件が報告されました。この事案こそが、私が横浜川崎治水事務所に照会をかけた事案です。

 2件の事案は、事業者から治水事務所に提出された土砂搬出の処理計画および処理結果報告と、搬出先の千葉県の残土条例に基づく特定事業状況報告書などと統合した結果、土量や土砂の埋立て場所などが一致していないことを指摘したものです。その結果、それぞれ2012年5月、10月に実施した土砂の処理について、結果報告等を今年2月に取り下げ、千葉県に出された内容に合わせて計画変更届と処理結果報告書を提出させてつじつまを合わせた形となっています。この事案は、是正を行うことで罰則を適用しないと判断されていますが、建設リサイクル課はこの是正事案について、治水事務所の対応を把握していなかったと答弁しています。

  建設リサクル課からは、無届けもしくは届出の記載内容が不適当な場合において「虚偽」の届出と認定された場合のみ罰則を適用するという考え方も示されました。その場合においても、罰則規定の適用に至る手前で指導、勧告、命令といったプロセスを踏む必要があることも理解します。
 2013年度に提出された処理計画における土砂の搬出量は把握できる範囲で約730万トン、そのうち約4割が千葉、東京等県外に搬出されている状況です。広域処理されている土砂について他県の処分地に赴き指導することは不可能です。条例には土砂を搬出する行為に対しては、命令に関する規定もありません。こういった状況も踏まえ条例の実効性を質したところ、条例の限界に言及する答弁もあり、国に対して新たな法整備を求める方向性も確認できました。

  条例に限界があることを踏まえれば、具体的な事件に対応し「虚偽」行為をどう認定するのか、くり返される過失に違法性はないのかといった判断を迫られることも想定されます。その際、条例を運用する側の恣意性が疑われるようなことはあってはならないはずです。またその解釈は頻繁に変更すべきではありません。搬入にかかる事務は治水事務所に委任されているとしても、条例を運用していく責任は建設リサイクル課にあり、今後もしっかりと説明責任を果たしてほしいと思います。