県議会第一回定例会 閉会しました

2013年3月29日 10時15分 | カテゴリー: 活動報告

25日、県議会において、2013年度一般会計当初予算案などを可決し、第一回定例会を閉会しました。
35日間の会期中には、私が所属する商工労働常任委員会において質疑を行い、予算案などの採決にあたって、討論を行い議案に賛成いたしましので、以下、ご報告いたします。

常任委員会報告
男性も女性もワークライフバランス 
県が取組む緊急雇用創出事業のあり方について
より包括的な就労支援を
労働行政の強化に向けて

賛成討論
当初予算案の提案にあたって、知事は、「神奈川県緊急財政対策」の成果とともに、20年後の神奈川の未来を見据えた重点的な取組みを「神奈川全開!宣言2013として取りまとめた」とされました。20年後の神奈川を見据えたとき、私は、まず、縮小社会へのパラダイムシフトという認識が共有されなければならないと考えます。

 新年度予算は、国の緊急経済対策に呼応し補正予算と一体となった「14カ月予算」として編成され、公共投資には重点的に予算配分されています。防災・減災対策の必要性は理解しますし、学校耐震化など緊急性や優先順位の高い事業への取組みは評価します。しかし、国の2012年度補正予算はあくまでデフレ脱却に向けた緊急措置であるとされているように、公共投資による地域経済へのカンフル剤的効果はあっても、「縮小」していく社会、「拡大」しない社会にあって、経済成長の牽引役にはなれないであろう、私はそう思います。今後も中長期的な財政への影響も考慮された社会資本整備に努めて頂きたいと思います。

地域経済のエンジンを回す取組みとして、ライフサイエンス産業と生活支援ロボット産業を柱とした取組みもあげられています。京浜臨海部ライフイノベーション国際戦略総合特区の推進には2億8658万円が計上されています。5年後の成果、経済波及効果として2,955億円という数値目標も設定されており、今後はその成長プロセスを県民に明らかにしていくことが必要であると思います。県財政の危機的状況を訴え緊急財政対策に取組んでいる状況にあって、これまで実施してきた産業振興施策については、県民説明会などにおいても、費用対効果や、地域経済への影響を問う意見が数多く出されています。ライフサイエンス産業の推進にあたっては、自治体の施策としてやなければならないのはどの範囲までかという事を明らかにしておく必要があると思います。

次に「いのち全快宣言」では、健康寿命日本一を実現し、介護・措置・医療関係費を削減、財政負担の軽減も図るとされています。高齢社会の諸課題の解決策として、高齢者の健康増進に目を向けることは必要ですが、活力ある地域社会は、元気な若者なくして成り立ちません。その若者が、厳しい雇用・失業状況にある現状は、早期に改善されなければなりません。
進行している人口減社会、超高齢社会は避ける事の出来ない現実として受け止めなければなりませんが、急激な人口構成の変化とその影響を、緩和させることは可能です。それは、就業率の向上を図ることであり、活用されていない潜在的労働力に着目すべきです。新規事業として予算計上された「女性就業支援推進事業」への取組みも有効な施策です。
合わせて、男性の働き方の見直しも含めたワーク・ライフ・バランス施策を推進し、正規労働者だけを対象とした労働政策や保育政策からの転換を図る事こそが、就業率を高め、ひいては超高齢社会を乗り切るカギにもなるであろうと考えます。
第3次、かながわ男女共同参画推進プラン改定案においても、こういった社会環境の変化や課題が捉えられています。新たなプランの実効性ある推進に期待いたします。

子ども・子育て会議元年となる2013年、国や市町村に設置される「子ども・子育て会議」も始動します。子ども・子育て会議の設置は、当事者の制度運営への参画をめざすものであります。県としても、子ども・子育て会議を設置し、市町村を重層的に支える立場として、すべての子どもと子育て家庭に目を向けた取組みを推進いただきたいと思います。

20年後のまちづくりの中心となるのは、今の子どもたちです。子どもは、社会との豊かなつながりの中で育ちます。かつて安倍首相も国会の所信表明演説の中で「良質で負担の少ない公教育があってこそ、子どもたちみんなが、明日へのチャンスをつかむことができます」と述べられています。本県の在日外国人にかかわる教育の基本方針においては、すべての人々が共に生き、共に発展していく社会を創造することは人類共通の願いであり、その実現に向かって教育の果たす役割は大きいとし、学校・家庭・地域社会の協働のもとに、在日外国人にかかわる教育を積極的に推進するための基本的事項を定めています。かつて神奈川で進められた“民際外交”
は国際交流、国際協力の先駆的試みであり“地方の時代”を具体化するプロジェクトでありました。また、市民・NGOの参加による多文化共生社会の実現に向けた実践が積み重ねられていることは、知事もご承知であると思います

さて、知事は、2月13日、突如、北朝鮮の核実験を受け朝鮮学校5校に交付してきた補助金について、2013年度当初予算案には計上しないことを表明されました。核実験を繰り返す北朝鮮の行為は厳しく糾弾されるべきです。しかしながら、国家間の政治的な問題と子どもたちの教育の問題は切り分けられるべきであり、知事はこれまでそういった判断のもと補助金を執行されてきたと承知しています。今回の知事の判断は、残念ながら国家間の諸課題の解決にも何らプラスの影響をもたらしません。何よりも子どもを政争の具にすることは許されないのです。東北アジアの平和に貢献しうる存在として、その未来に期待し、彼らの育ちと学びを支えていくことこそ求められます。このたびの補助金打ち切りについては、再考を求めます。

 最後に、神奈川臨時特例企業税にかかる訴訟の判決と対応についてであります。本県独自の法定外税である臨時特例企業税について定めた条例は、「違法・無効」とする判決が言い渡されました。地方分権の推進という視点に立てば残念な結果であります。しかし、本県が、法定税の抱える課題について地方の独自課税を通じて問題提起を行ってきた実践は貴重であり、今後も、自主税財源の充実方策について幅広く検討を行うとともに、地方税財政制度の抜本的見直し向けた動きにつなげて行くことが必要です。

臨時特例企業税の返還等にあたって必要となる635億円余は、財政調整基金を取り崩し財源としてあてることとなり、基金残高も64億円に減少、本県財政は厳しさを増します。緊急財政対策については、来年度以降も引き続き、ロードマップにそって取組むことになりますが、本年度の取組みからも、県有施設のあり方や補助事業を再点検し政策的にブラッシュアップしていく効果は期待されるものの、予算圧縮効果はさほど高くない状況であることも見て取れます。

従来型の公的サービスの限界が見える中、今後は、あらためて、企業セクター、市民資本セクターとも連携し、新たな公共の領域を拡げることに取組むべきです。本県は、全国に先駆けて指定NPO制度も導入するなど、NPO支援施策を推進してきたところでもあります地域の事業者が地域社会の課題やニーズに対応するプロセスから新たな事業を創出する動き、コミュニティビジネスを生み出す力、これも神奈川の潜在力であると思います。
2013年は、衆参両院で地方分権推進決議が可決されて20年目の節目の年となります。 節目の年に、20年後の神奈川の姿を描き、真に神奈川の潜在力を生かした施策の展開に期待し、私の討論といたします。