増加する児童虐待相談と相談体制の課題

2012年6月17日 10時44分 | カテゴリー: 子育て・子育ち・女性

2011年度、神奈川県所管(政令指定都市(横浜市・川崎市・相模原市)及び児童相談所設置市(横須賀市)を除く)の5か所の児童相談所で受け付けた児童虐待相談受付件数の集計結果が公表されました。

虐待相談受付件数は、1,747件で、前年度比で5.7%減とされていますが、横浜、川崎、相模原、横須賀が所管する児童相談所の相談件数を加えた県全体の虐待相談受付件数は昨年度比14%増の4,914件となります。
全国的な数字で見ても、児童相談所における児童虐待相談対応件数は増加傾向にあり2010年度は44,210件で1999年度の約3.8倍となっていることが内閣府の資料(基礎資料 幼児教育・保育を巡る現状等(施策編))でも報告されています。それに対し、児童相談所は僅に増加(174カ所から204カ所)児童福祉司数(ソーシャルワーカー)は、1230人から2477人と約2.0倍の増員にとどまっています。

県の厚生常任委員会においては、昨年9月末日の数字で、県所管の児童相談所の児童福祉司1人当たりの担当ケース数は平均で78.4ケースで、年間の調査や面接、訪問件数は年間延べ1,280件(2010年度)、1日当たり4.9件にものぼることが明らかにされています。

児童福祉司は、子ども本人や保護者などとの面接を来所や家庭訪問によって行うほか、保育所や学校などの関係機関へ訪問調査、施設や里親訪問も行い、そのほか、会議への出席や事務作業や市町村の児童相談の窓口の職員の支援と様々な業務に携わっています。

2010年総務省が実施した調査には、「人員配置に余裕がなく、保護者に対してきめ細かなケアを行う時間がない」「経験の長いベテランが少なく相談できる相手がいない」「人事異動が多く継続的な対応が困難」などの児童福祉司が市町村担当者の意見が並んでいます。また、保育所からは、担当ワーカーに連絡してもパート職で常駐しておらず必要な時に担当ワーカーと連絡が取れないという事例も聞きます。

児童虐待防止法が制定されて以降、児童福祉法や民法の一部改正も行われてきましたが、政府は、今後も、児童福祉司の配置基準の引き上げなど児童相談体制の強化に取組むとともに、予防の側面からの子育て支援施策も推進し、社会全体で子どもの育ちを支える理念の実現に努力すべきと考えます。自治体としても人事配置・人事異動のあり方を検討して行く必要があります。

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