若者の労働実態と求められる支援・政策

2012年3月5日 11時00分 | カテゴリー: 生活困窮者支援・若者支援・働き方

4日、神奈川ネット総会講演で、NPO法人POSSE 三家本里実さんに、若者の労働実態と求められる支援・政策をテーマにお話いただきました。
若者を取り巻く雇用状況
POSSEは、365日24時間体制で労働相談を実施しており、賃金未払い、長時間労働、パワハラ、セクハラ、解雇、退職勧奨・退職強要など年間約400件の相談が寄せられています。相談を通じ、就職活動により内定が得られた企業が労働法令に触れるような過酷な働き方を強いる「ブラック企業」だったという事例や、サービス残業やパワハラなどにより心に傷を負う若者も少なくないといった若者を取り巻く雇用状況を捉えています。09年、失業者約450名を対象に実施された「若者の雇用状況調査」では、離職理由の7割を占める「自己都合退職」の背景にある要因として、パワハラやセクハラ、賃金未払いといった会社の違法行為も明らかになり、正規・非正規問わず不安定な働き方を強いられている実態が浮き彫りになりました。

仙台市における生活支援の取り組み「福祉・教育・雇用をつなぐ」
2010年3月には、仙台POSSEも発足し、労働相談・生活相談を受けてきましたが、昨年3月の東日本大震災の発生後は災害復興支援の取組みが始まりました。避難所や被災した住宅から、仮設住宅・みなし仮設への引っ越し支援や買い物や通院のサポート、仮設住宅の子どもたちへの就学支援、社会保障制度などの申請サポートも行っています。また、こうした日常型支援を通してニーズを聞き取り、生活再建へのサポートにつなげているそうです。
仮設住宅に居住する中高年者、母子世帯、家族が病気・介護が必要で働けない、生活困窮者など社会的弱者とされる人たちに対して、単に就労を促しても、必ずしも就労につながらず、むしろ精神状況を悪化させてしまう可能性や、仮に就労できたとしても、厳しい労働条件のなかでは、ドロップアウトする可能性があると指摘されています。

NPOや労働者協同組合との連携

個々人の状況に合わせた段階的な働き場・中間的な就労の場として、復興関連の仕事など、就労可能な場を創出するNPOや協同組合への期待も語られました。短時間労働(パート・アルバイト)だけでは生活は成り立たず、多様な働き方を支える社会保障制度や、長期的な就労が可能になるよう、就労後も継続的に伴走型の支援が提供されることが望まれます。仙台市での就労支援のモデルは、被災地における“例外”ではなく、日本の福祉制度の問題に直結する取り組みであり、今後も政策提言に取組むと結ばれました。

神奈川における若者の就労支援
神奈川には、NPOやワーカーズコレクティブが提供する中間的な就労の場が多数あり、よこはま若者サポートステーションとの連携事業も模索されてきました。神奈川県も、2012年度あらたに、「かながわ若者サポートステーション」事業に取組みます。ようやく神奈川における若者就労支援施策の広域連携の形が見えて来ました。今後も現場の実践をもとに、福祉・教育・雇用をつなぐ政策を提案していきます。