八丈島地熱発電所を見学

2011年9月25日 11時57分 | カテゴリー: 防災・環境・エネルギー・ごみ

島づくりのコンセプトのもとに進めらるエネルギーの地産地消

八丈島地熱発電所ならびに地熱利用の熱帯果樹の展示温室と併設された「えこ・あぐりまーと」を見学しました。

現在、全国には自家用を含め18カ所の地熱発電所がありますが、火山の多い東北地方や九州地方の一部に集中しており、八丈島地熱発電所が神奈川から最も近い地熱発電所となります。八丈島では、1989年、町の申請を受け、NEDOによる地熱開発促進調査が行われ、92年からは東京電力による調査や試験が行われ99年に発電所が稼働を始めています。
発電所では、地下1650mの地熱貯留層の熱水を蒸気井によって取り出し、その蒸気の圧力でタービンを回し発電が行われ、使用後の蒸気は再び地中へと戻されます。約3300キロワットの電力供給が期待されていましたが、2本の蒸気井の内1本が詰まってしまい現在の供給電力は2200キロワットとなっています。その他、併設されている風力発電所で500キロワットと島内のディーゼル発電所で11.100キロワットの発電が可能とのことです。八丈島の今年の夏の最大電力需要は8月25日の9,250キロワットで、その1/4は地熱発電で賄われたことになります。発電所の敷地面積は約1万㎡で、建設費は約58億円、建設期間は9ヶ月間とのこと。実際、プラントはシンプルかつコンパクトでした。

 1996年〜99年には、地熱発電所の建設とともに八丈町とJAが主体となって「地熱利用省エネルギーモデル温室」事業が進められ、発電で発生する温水を利用した温室団地が整備されました。総事業費は約6億2千万円。地熱を利用した展示ハウス(あぐり・まーと内)では、熱帯果樹とともに、世界一の生産量を誇るフェニックスが栽培されていました。有機農業に取組み、あぐり・まーとを運営されている菊池義郎さんからは、公害を出さない、安価なエネルギー(灯油の1/10)を活用でききる事業の効果を伺いました。ウルグアイ・ラウンド農業交渉で大きく日本の農政が変わろうとしていた時に、エネルギー政策と連携する未来型の農業に希望を見出したという当時の想いも伺いました。

八丈島の人口は8000人、島の経済は漁業とともに農業、観光で支えられています。観光協会や商工会でつくる八丈島活性化協議会は、風力発電や地熱発電で生み出した「エコ電力」で充電したエコ自転車による「エコツアー」を始めています。
 これらの取組みは、ブルーエイト構想、新ブルーエイト構想にうたわれた「人間と自然の共存と調和のための新たな途を探る」という島づくりのコンセプトのもとに進めらる取組みであり、エネルギーの地産地消は、エネルギー政策に特化し進められるものではないことをあらためて学ばせていただきました。

エイト・ブルー構想
八丈島・青ヶ島の理想の島づくりを進めるための計画。(平成7年に策定)平成16年に25年までの10年を計画期間とする新エイト・ブルー構想策定。