支援の必要な子どもたちの就学相談・指導の課題

2010年6月18日 08時54分 | カテゴリー: 子育て・子育ち・女性

養護学校(特別支援校)の過大規模化は深刻な問題です。特に、横浜北部では、特別支援教育の受け皿が不足しており、近隣の養護学校に通いたくても通えないという状況も見られます。例えば、青葉区にお住まいの肢体不自由児のAさんは、障害の状況から自宅から10分程度で通学できる県立麻生養護学校への転入を希望されました。この学校の学区は本来川崎市および横浜市とされています。しかし、過大規模化が進む麻生養護学校は、学校の判断で青葉区内で線引きをして一部「学区外」としているそうです。やむなく、上菅田特別支援学校を選択し、スクールバスで通うとなると90分も掛かかり、しかもバスポイントは区内に2カ所のみで、ポイントまで保護者の送迎も必要とになり、親も子も負担となってしまいます。

本来、県立特別支援学の校区の考え方は、「就学校については固定化するものでなく、児童生徒の通学事情等を考慮して、融通性のある就学相談・指導を行うこととする。」というものです。そういった相談のための機関として横浜市就学指導委員会があり、障害のある児及び学齢児童生徒に対し、障害の種類、程度、状態等児童生徒の事情を考慮し、就学指導を行うことになっています。(医師5名学識経験者3名県立・市立学校長8名 で構成/年3回開催)そこで、県立養護学校を選択した場合は、さらに県の就学指導委員会でも扱われます。

ところが、横浜市では、年度途中に、特別支援校などに転入する場合には、委員会にはかからず、教育委員会職員が対応しています。当事者の意向に一致する形で学校が決まれば問題はありませんが、意向が一致しない場合は、教育委員会の判断の公正性や客観性を担保することが必要になります。しかし、それはそう簡単なことでは無く、一律に学区の線引きを理由に学校選択を迫っているというのが実態です。地域に通える学校が用意され、その上で線引きするというのなら理解できますが、選べる学校がないのに「学区」「線引き」と言うのもおかしな話です。いずれにしても、物理的に希望する養護学校に通えないということであれば、教育委員会は、その事情を話してお願いせねばならないことになります。その際、県と市のいずれかの教育委員会が「あらゆる相談に応じる」という姿勢がなければ、責任の所在も曖昧にされ、当事者には不安や不満も生じます。それも課題の一つです。
養護学校に限らず、横浜市も川崎市のように肢体不自由の個別級への取組みがあれば、地域で学べる仕組みがあれば選択肢も広がるのですが。

そもそも、横浜市の規模で就学指導委員会を年3回しか開催しないことに無理があります。例えば、鎌倉市では年5回、藤沢市では年9回開催され、年度途中の転入等も直近の委員会にかけることが原則となっています。
横浜市は、今年度「方面別学校教育事務所」を市内4カ所に開設しました。学校教育事務所を置く事で、より学校に近い場所から、教育課程や学校経営等を適確・迅速かつきめ細かく支援し、校長のリーダーシップによる学校経営を推進できるとしています。この方面別学校教育事務所を生かし、学校への支援に留まらない、児童・生徒をも支援するしくみとして機能させていく必要もあると思います。
選択肢を拡げ学びの保障を進めるために、引き続き制度提案に取り組みます。