横浜市が先進的に取り組む障害児居場所づくり事業

2008年10月12日 23時04分 | カテゴリー: 高齢者、障がい児・者福祉

決算審査報告

横浜市では、07年度あらたに障害児居場所づくり事業がスタートしました。この事業は、市の独自事業で、学齢期の障害児(小学生から高校生)が放課後や夏休みなどに毎日活動できる場所を確保し、コミュニケーション能力を身につけることや、親の就労や社会参加の機会や、兄弟児に関わる時間の確保を目指すものです。
入学や進学によって、障害児への支援が繋がりにくいという従来からの課題に対し、横浜市が独自に「子どものライフステージに応じた一貫した支援」に一歩を踏み出した事は意義は大きいと思います。

初年度の07年度の決算額は40,416,024円、8事業所(現在は13事業所)で、のべ、11465人の受入を行なう等、見込み以上のニーズが報告されています。10日に行なわれた決算審査では、開設日や送迎補助費について、現場の課題も提起しました。

事業要綱に、開設日は週6日以上と規定されていますが、実績を見ると、土曜日の利用情況は平均3,6人と平日の1/3に留まっています。現場では、例えば、平日に中規模程度の人数の受け入れをしているのに、土曜日を含めた6日となると、小規模として申請せざるを得ないという状況も起きています。1年間やってみて、平日に比べ土曜日のニーズが少ないことがはっきりしてきたのならば、例えば、土曜日については実績に基づく加算方式にするなど見直しを行なうことも考えても良いと思います。

また、この事業では、必要な利用者には送迎をつけること、という事業所申請にあたっての、対応義務があり、これに1回300円の送迎費補助がついています。しかし、まだ、市内に11拠点しかないため、広範囲なエリアで送迎を行なう事業所もあるようです。青葉区の事業者は、区内の小学校に加え、区・市域を超えた2つの養護学校に通う児童の送迎を行なっており、ひと月あたりの送迎時間は約4500時間分、走行距離は1300キロを超えるそうです。
ガソリン代の他、送迎にかかる人権費、駐車場の確保、送迎車の維持管理費を含めると300円の補助費では厳しいとの声が上がっています。送迎を安定的に提供するために、早急に、現状の課題を把握し、必要な対策をはかることが必要です。

送迎が長時間に渡ることは、子どもたちにとっても負担となります。今後、より身近な生活圏の中で、顔の見える関係が広がることが望まれます。障害児居場所づくり事業の拠点は、中期計画では、概ね区に1カ所全市21カ所設置するとされていますが、まだまだ足りないと思われます。障害児居場所づくり事業によって、療育との棲み分けも含め、敷居をさげ、地域の居場所となりうる様々な可能性が見えています。その独自性を大切に、取り組んでいただきたいです。

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