監察医制度に問題はないか!?

2007年11月12日 08時23分 | カテゴリー: その他・つぶやき

山本裕子県議 決算特別委員会で質問

時津風部屋の力士の急死と死因の誤認や、司法解剖の有無や死因をめぐって裁判となった保土ヶ谷事件など、検視体制のあり方に疑問を感じる事件が続いています。NETは、以前に、神奈川県の監察医制度の課題を取り上げ「要綱」の策定に結びつけた経緯がありますが、今回、山本県議の質問から、依然として制度が機能していない実態が明らかになりました。

現在、神奈川県は5人の監察医を委嘱しており、横浜地域における異状死またはその疑いのある死体の死因を明らかにするために検案を行っています。しかし、その業務実施状況には医師によって大きな格差が生じています。

2006年監察医業務実施状況

在任期間(年) 検案数 解剖数 解剖数/検案数
A医師 47 1,589 19 1.2%
B医師 38 72 21 29.2%
C医師 27 1,380 1,173 85.0%
D医師 1 0 0
D医師 1 0 0

最大で47年という委嘱期間とC医師の解剖数にも驚きますが、神奈川県の制度は費用負担のあり方も特殊です。監察医制度のある5つの都市のうち、遺族が解剖費用を負担するのは神奈川県だけであり、そのやりとりも医師と遺族の間で行われるため、要綱に定めた基準(検案1万円、解剖5万円)が守られているかどうかを県は把握していませんでした。

東京都は監察医務院を設置していますが、そこには、非常勤を含め54人の監察医が所属し、3〜4チームで対応しています。死因究明の過程で得られた情報を、医学教育、臨床医学、予防医学などに還元するとし、毎年、死因統計年報なども作成、公表されています。それによると、昨年は12,022体の検案要請に対して、年間約2,553体の行政解剖を行っており、一日平均の検案数は32.9体、解剖数は7.0体となっています。

神奈川県の現状は、解剖を監察医に委ね、実態把握を怠っていると言わざるを得ない状況です。まず、監察医の委嘱のあり方を見直すとともに、情報公開を進め制度を機能させることが必要です。

*監察医制度
1)死因不明の急性死や事故死などについて、死体の検案及び解剖を行いその死因を明らかにする(事件性のないもののみ。事件性があるものは司法解剖に回される)
2)監察医制度があるのは全国で、東京23区、大阪市、名古屋市、神戸市そして横浜市で統括責任は都道府県にあり。第二次世界大戦後の混乱期にGHQの指導のもと伝染病などの蔓延を防ぐことを目的に作られた