かながわクリーンセンターの存在価値を問う

2007年10月24日 08時27分 | カテゴリー: 市政ファイル

かながわクリーンセンター(KHJ)は、県税、市税(横浜、川崎)なども含め132億円が投入され建設された「公共が関与する」産業廃棄物処理施設です。KHJと言えば、以前に、国の基準を超えるダイオキシン類が排出されていたことが問題となった施設です。本来、事業者責任において行う産業廃棄物処理事業に公共が関与する意味からも、厳しい排出基準が定められるなど、法的にも適正処理のモデル施設としての役割が課せられています。しかし、産業廃棄物処理にも、3Rや温暖化防止対策が求められる時代に中間処理を行うごく普通の焼却施設が「モデル」となり得るのか?これが第一の疑問です。

そして、第二にニーズ。KHJへの産業廃棄物の搬入量は減少傾向にあり、2006度の年間予定受け入れ量は、目標の49000トンに対し、37000トン。市内で発生するの産業廃棄物の0、39%を受け入れるに留まっています。(05年実績)競合関係にある近隣施設はKHJよりも低価格で受け入ており、価格面での競争が成り立たない現状で、具体的な営業努力も行われていません。

一方で、施設を運営する財団法人神奈川廃棄物処理事業団設立の際、財団に出捐金を拠出した企業に対しては、優遇制度を設けています。しかし、 2001年度時点で、センターへの出捐企業の搬入量が32000トンで搬入総量の80%だったのに対し、2006年には、21000トンで搬入総量の57%となっています。つまり、優遇制度もインセンティブとなっていないようです。

もちろん、財団の収支状況も厳しく、純然たる営業収入だけで経営は成り立たず、昨年も県、横浜、川崎から1億3800万円計4億1400万円の税金による「負担金」が投入されています。3公共団体がこれまでに投入した負担金合計金額は12億円にものぼります。その他、横浜市の貸付金残高は80億7千万。そして、日本政策投資銀行への借入金残高は53億円で、基金を取り崩しながら返済にあたっていますが、このままいけば、あと3年で基金も底をつきます。横浜市は、日本政策投資銀行と損失補償契約の締結しており、かなりのリスクも抱えています。

財団の提示するまま、税金による負担金を投入し続けることに市民合意は得られません。短期的な収益改善対策として、県内自治体の一般廃棄物の受け入れを行うということも法的には可能ですし、最終的には、公共による産業廃棄物処理施設の運営ではなく、例えば、独自の融資制度による整備という方法も考えられます。3公共団体の覚書では、施設を20年間稼働させるとのことですが、これに拘束されずに見直しを考えるべきす。